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池尻成二事務所 〒178-0063 練馬区東大泉5-6-9 03-5933-0108 ikesan.office@gmail.com

一般質問と光が丘病院

 区議会は、今日から一般質問が始まります。3日間で12人の議員が登壇、区政全般についてそれぞれの問題意識と関心をぶつけながら区の考えを聞くことになります。一般質問の発言者と簡単な内容については、区議会のホームページで公開されています。光が丘病院問題については、私以外にも2人の方が通告をしているようです。喫緊の問題の、かつ深刻な現状をしっかりとふまえた質疑になることを願っています。

     ➠一般質問の概要はこちらから

 7月に日大の「撤退」が明らかになって以来、本当にめまぐるしく事態が動いた半年でした。理事者も、4月に向けて目の前の課題への対応に追われているかもしれません。ただ、あらためて振り返れば、原点は光が丘病院とそこで担われるべき医療を我々はどう考えてきたか、区と区議会は区民のこの大切な病院に何を求め何を期待していたかということです。そしてそれは、区が日大に代わる後継の運営主体を公募した際の基準としてはっきりと記されています。
 公募要項で、区は何を求めたか。改めて整理をしておきます。要項にはこう書いてあります。

病院運営の基本方針
病院の運営は、次に掲げる基本的なあり方に沿うものとする。
① 公的な目的と機能を持ち、区が求める医療機能の充実に取り組む病院であること。
②高度で専門的な機能をもつ総合病院であること。
③区の地域医療の中核的機能を持つ病院であること。
④ 医療連携を図るとともに、区の地域保健医療施策に協力する病院であること。
新病院運営の条件(区が求める医療機能)
(1) 区が求める医療機能
次の4つの医療機能を重点とし、その充実に取り組むこと。
① 救急医療
ア 東京都指定二次救急医療機関の指定を受け、24 時間対応の二次救急医療機関として、内科系、小児科および外科系の休日・全夜間救急医療を行う。
イ ICU 等を設置し、重傷患者に対する救急医療を行う。
ウ 近隣の三次救急医療機関と連携を図り、適切な救急医療を行う。
② 小児医療
ア 小児科医師による24 時間対応の診療を行い、入院受入可能な体制を整える。
イ 区および区内の医療機関が実施する小児救急医療事業に積極的に協力する。
③ 周産期医療
ア 区民が安心して分娩できるよう、必要な人員体制を確保する。
④ 災害時医療
ア 東京都の災害拠点病院の指定要件を満たす施設、設備を整備し、東京都災害拠点病院指定の申請を行う。また、災害時の拠点病院として区の地域防災計画に係る事業に協力する。
(2)病院の規模と機能等
日大練馬光が丘病院が担っている同等の規模・機能を維持する。
① 病床数
現在の許可病床数342 床を引き継ぐ。
② 診療科目
現在、日大練馬光が丘病院が標榜している診療科目を基本とし、地域の中核的な病院として総合的な医療機能を担えるよう診療科目を設定する。

 改めて読み返せば、とても大切なことがここには書きこまれています。地域医療を守るべき自治体として、また公募選定を行った当事者として、練馬区は、ここに書かれたことを順守し実現させる責任を負っています。公募に応じ選定された地域医療振興協会は、ここに書かれたことをしっかりと実行していく責任を負っています。そして区民は、ここに書かれたことを期待する権利を有するとともに、それが誠実かつしっかりと実行されるよう求める責任があります。
 そして、区議会は…。区議会は、昨年の第3回定例会における決議で、日大の撤退と後継運営主体の公募実施を是としつつ、こう述べました。「本区議会は、区に対して、区民の命と健康を守るため同病院の機能を維持するのみならず、さらなる地域医療の充実を図るため速やかに後継医療機関を決定し、区と後継医療機関および日本大学との間で円滑な引継ぎを行い、地域医療の確保・充実に全力で取り組」むよう求める、と。「同病院の機能を維持するのみならず、さらなる地域医療の充実を図る」。これが、区議会の求めるところであり、そのための対応を区に求めることは、区議会がみずからに対して課した責務です。

 本定例会での議論は、少なくともこの原点を踏まえたものでなければなりません。たくさんの区民の皆さんに見届け、聞き届けて頂きたいと思います。

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