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特別養護老人ホームの「待機者」2600人

 特別養護老人ホームの「待機者」の問題が、先の都知事選でも大きなテーマの一つになっていました。練馬区の「待機者」の状況は、3ヶ月に1回、所管課から情報提供を受けています。12月末現在の数字が届きました。延べ人数ではなく実数で2,612人です。

区内特別養護老人ホーム 26施設 定員1,754人※
     ※東京武蔵野ホーム(板橋区)の練馬区民枠30を含む
述べ申込数14,533人 申し込み実人数2,612人 一人平均の申し込み施設数5.56施設

 この間、練馬区はかなりピッチを上げて特別養護老人ホームの整備を進めてきました。それでも、定員をはるかに上回る「待機者」が出ている現状は、やはり深刻です。「待機者」の状況については、もう少し詳しく情報提供がされています。
     要介護度別人数 要介護度5-732人 4-706人 3-567人
 要介護度4と5だけで全体の55.1%を占めます。3まで加えると76.8%、3分の2を上回ります。重い要介護状態にある方が、当然ながら大変多い。こうした方々は、いったい今、どうしているのか。どこにいて、どんな支援を受け、どういう日常を送っているのか。いやでも気になります。
 練馬区は特養の入所を決定する際の入所基準を定めており、この基準にもとづいてそれぞれの状態を指数化し入所の優先順位を付ける仕組みを導入しています。指数は①要介護度、②家族の状況、③住宅の状況の三つにわかれており、最大で13点。この指数別の待機者の人数はこうなっています。
     指数13点-103人、12点-320人、11点–412人、10点-523人…

     ➡入所基準はこちらから

 練馬区は、当面の目標として指数11点以上の待機を解消するとしています。これだけでも732人ですから、大変です。待機の間に重度化する方も多く、なかなか数は減りません。指数表を見ると、要介護度5、介護者がいない、住宅がない(介護上問題がある)というケースで11点。13点というのは、これに認知症の問題行動がある場合の加点を足してはじめて出てくる数字です。最重度、介護者もいない、問題行動も強い、場合によっては家もない…こうした状況にある人が現にどういう暮らしの中にいるか、ほとんど想像を超えるほどです。また、今の指数表では家族が同居または近隣にいると点数は一気に下がってしまい、まず11点には届きそうにありません。かろうじて続いている在宅生活、つのる家族の負担が目に見えるようです。
 特養入所を選択する事情は、在宅生活の困難だけでなく、費用負担の問題もあります。在宅のケアが手厚く効果的なものであれば、あるいはたとえば老人ホーム等の費用負担が軽減されれば、結果として待機は減っていくかもしれません。そのあたりは、特養だけでなく複眼的で複線的な対策が必要だし意味もあるテーマだと思いますが、まずはしっかりと待機者とその家族の思いに寄り添いつつ、実情をしっかり把握する努力を進めてもらいたいものです。

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