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図書館視察 その2

伊万里市民図書館を訪ねたのは、9月のこと。その後、10月にはもう1回、図書館を視察する機会がありました。今度は、同じ九州、宮崎市の市立図書館。区議会文教委員会の視察先としてです。
実は1994年にこの市立図書館ができるまで、人口30万を越す県庁所在地・宮崎市には市立の図書館がなかったそうです。そんな中でできた図書館ですから、市の図書館行政自体はまだまだ生まれたばかり、これからどう充実させていくかというところなのでしょうが、この図書館がユニークなのは、館の運営をNPOに委託していることです。
NPOといっても、有志が設立した任意のNPOとは違って、NPOの設立自体が市との「協働」の元に、むしろ市の肝煎りで進められたとのこと。NPO導入については、「市民が市政に参画し、行政と協力、協調し合う場として、またボランティア活動の場として市民に密着し、開かれた図書館を考え導入しようとするもの」という説明がされているようです。
当初はカウンター業務からはじまった委託は、今ではレファレンスも含めてほとんどすべての業務に広がっています。市民ボランティアの館運営への参加も進んでいるようです。図書館行政の“市民化”、その枠組みとしてのNPO委託という考え方は、公的責任の希薄化、安易なボランティア依存といったリスクと隣り合わせとはいえ、図書館の一つのあり方を示していると感じました。経費の節減と委託の実績作りとしか思えないどこかの区の「図書館カウンター業務委託」とはずいぶん違う、まだ「哲学」が感じられる、と視察した同僚議員とも話したことでした。

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