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「超高層ビルの壁」ができると… ~石神井公園駅南口「再開発」~

石神井公園駅南口「再開発」問題の続きです。

南口線路沿いの一体、変更後の地区計画では「駅前商業地区A」とされる地区には最大で5つ、2,000㎡を超える面積の区画がある。この区画では、「市街地再開発」や「総合設計」などの仕組みを使えば高さ制限なしで建物が建てられる。この地区に現在、ある高さ制限に代えて、区としてはだいたい高さ100m程度の線で高さをそろえることを考えている――こんな動きになっていことを、前の記事でお伝えしました。もし5つもの超高層ビルが駅の南側に並んだらどうなるか。何が変わるのか。少しイメージしてみました。

この写真は、石神井町8丁目にある都営住宅の階段から撮ったものです。3階の高さ、10mもありません。今は、この場所からはこんなふうに見えます。

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線路を斜めから見ているのでちょっとわかりづらいかもしれませんが、左の超高層が駅の北側にある『ピアレス』のタワーマンション。右端が『プラウドタワー』で、こちらは高さが90m弱になります。『ピアレス』は、高さ制限のかかった南側の地区計画のエリア外。『プラウド』は地区計画の区域内なのですが、建築されたのが都市計画決定の少し前。いわば駆け込み建築になります。この二つのマンションも、駅前にふさわしいかどうかという議論はあると思いますが、少なくともこれ以上は超高層マンションはいらない、建てさせないというのが、駅南側のまちづくりの共通認識のはずでした。

真ん中に高さ50mまでの例外規定で認められた『エミリブ』の新しいビルがありますが、それと比べても二つのタワーの突出ぶりは際立っています。二つの超高層ビルの間には、しっかりした空が広がっています。そして、もし“ビルの壁”が出来上がると、この空はつぶれてしまいます。そのイメージを画にしてみました。こちらです。

赤いのが、今、準備中の再開発ビルです。高さは屋上の棟屋部分も入れれば105m近くになりそうです。『プラウド』より10m以上高くなります。横幅もどでかいつくりで、[プラウド]より15m幅広です。再開発ビルの右側は、ライオンズマンションの建て替えで建てられるかもしれない超高層ビルをイメージしています。再開発ビルの左手奥は、南口ロータリーの東側の一角に建てられるかもしれない超高層ビルのイメージです。再開発ビル以外の二つは、この通りに建つのかどうか確定的なことは言えませんが、しかし、これらも建てられるようにするというのが今回の都市計画(地区計画)原案の大きな柱の一つになっていることは、区も認めるところです。さらには、少し遠い将来かもしれませんが、『エミリブ』ビルの建て替え後も超高層の建築が可能になます。

どうでしょうか。こんな駅前、こんな景色、こんな空を、皆さんは望みますか?

コメント

  1. 個人 より:

    否、再開発は必要です。高層化を進め、商業施設をもっと充実させないと練馬区の人口流出、それも富裕層/相対的富裕層の流出は止まりません。
    練馬区は今や貧困区です。2010年頃まで世帯所得ランキング11位だったのが、今や豊島区にも抜かれて17,8位です。私の友人でも所得1000万オーバーの人々がかなり都心のタワマンに越しました。理由を聞くと練馬は買い物や交通の便が不便だからと言います。寝に帰るだけで楽しめるものがないと言います。
    世田谷が劇的に人口が伸びしたのに練馬は数十年間横ばいで、相対的金持ちは都心に越してるのが実態です。この流れを断ち切り、選ばれる街練馬にするには緑に加え、商業施設の拡充と高層化は絶対に必要です。寝に帰り、老人が散歩して満足なだけのベットタウンから、楽しめるようにしなければ貧乏区から脱却できません。