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練馬区議会は何をしているのか? ~「緊急事態」下、委員会の休止あいつぐ~

「緊急事態」が出されて1週間。区民生活に大きな混乱と困難が広がる中、練馬区議会は何をしているのか?
こんな時こそ最前線で活動するのが議員でしょ。区民の置かれた状況に目を配り、耳を澄ませ、いち早く区政のかじを取ろうとするのが議会でしょ? そう思いたいし、そうありたいと考えてきましたが、練馬区議会の現状はずいぶんと違います。

練馬区議会が来週予定されていた委員会の多くを中止することに決めました。私は、この決定には到底納得できません。16日の夜に、私の思いを一連の投稿としてツィートしました。このブログでも再録しますが、その前に区議会の概要を。

練馬区議会には、全部で10の委員会が置かれています。
常任委員会 議会の活動の基本となる常設の委員会。区の施策、事業の体系に応じて担当ごとに以下の5つの委員会があります。→の後が所管する区の部門です。

  • 企画総務委員会 →区長室、企画部、危機管理室、総務部、会計管理室、選挙管理委員会および監査委員
  • 区民生活委員会 →区民部、産業経済部、地域文化部および農業委員会
  • 保健福祉委員会 →福祉部および健康部
  • 都市整備委員会 →環境部、都市整備部および土木部
  • 文教児童青少年委員会 →教育委員会

また、常任委員会が基本ではありますが、中でも特に取り出して集中的に検討したほうがよいというテーマがある場合に、専門の特別委員会が設置されます。練馬区議会には今は次の4つが置かれています。

  • 総合・災害対策等特別委員会
  • 医療・病院整備等特別委員会
  • 都市農業・みどり環境等特別委員会
  • 交通対策等特別委員会

このほか議会運営の在り方を議論するために議会運営委員会があります。施策や事務事業についての実質的な議論は基本的には行われませんが、議会のルールはここで決まっていきます。また、予算決算の審査に当たってはそれぞれ特別委員会が設置されます。
区議会は、年4回、2,6,9,11月に定例会を開催することになっています。定例会中は、常任委員会と予算・決算を除く特別委員会はだいたい2~3回程度開かれます。また、定例会のない期間、閉会中にも常任・特別委員会はだいたい月に1回程度開催されてきました。

さて、区議会は何をしているのか? お読みください。


3月13日に第1回定例会を閉じて以来、練馬区議会は実質的な議論の場を持たないまま1ヶ月。今週と来週に予定されていた各委員会は「緊急事態宣言」後初の委員会であり、当然、この間の大きな動きと自治体の課題、対応についてしっかりとした検証と議論の機会になると信じていた。
ところが、「企画総務」「文教児童」「医療・病院」「総合・災害」以外の委員会は中止に。なんでだ?

※中止になったのは「区民生活」「保健福祉」「都市整備」「交通対策」の4つです。「都市農業」はもともと案件がないということで開催予定がありませんでした。

中止を決めたのはそれぞれの正副委員長。理事者から特に急ぎで報告を受ける案件がないから。これが理由だというのが事務局の説明。「緊急事態宣言」を受けての対応は、最大かつ文字通り緊急の案件ではないのか。

「緊急事態」については、「総合・災害」委員会が危機管理を担当するのでそこでやればいい。新型コロナの感染対策という点では「医療・病院」が担当だ。こういう説明もされた。
「医療・病院」の特別委員会は、感染症対策を担当している。しかし、政治の課題、行政の責務は、直接の感染症対策の範囲はとっくに超えている。だから「緊急事態」なのでは?
「総合・災害」の特別委員会は危機管理に関する調査研究は目的としているが、いまは調査・研究の段階ではない。危機管理対策本部を立ち上げて、危機管理の実務の真っただ中にいる。対策本部長は副区長。区長や副区長が出席しない委員会で、議会は納得するのか?

感染症や危機管理を直接、担当している二つの委員会でやれば十分? 違いますね。とんでもない。「緊急事態」は社会全体の組み立て直し、転換を意味する。世の中の動きや区民の暮らしぶりに目を向け届く声に耳をすませば、そんなことは明らかだ。
なぜ「区民生活」はやらないのか。緊急事態で区内の事業所はどうなっているのか。働く区民の暮らしはどうなっているのか。国や都の緊急対策は? 区の独自の対応は? 国保の傷病手当金は? 商店街の感染対策は急務だろう? やるべきことは山とあるでしょ。
なぜ「保健福祉」はやらないのか。障害者や高齢者の暮らしは厳しい綱渡りを強いられている。現状はどうか、対策をどうするか、どうやって支援の必要な区民の暮らしを支えるのか。文字通り区の責務であり、そしてそれはまさにこの委員会の所管事項のはず。区民健診の延期など大きな対応も迫られている。
なぜ「都市整備」はやらないのか。緊急事態の中で、公共工事の執行はどうするのか。公園の区民利用はどうあるべきか。清掃やリサイクルの現場はコロナへの備えはできているのか?

閉会中は、常任委員会と特別委員会それぞれ月に1回程度しか開催してこなかった練馬区議会。その1回さえやらないなんて信じがたい。この大切な時期に、この区民の一大事に。議会は何をしているのか!? と言われるに違いない。
都議会は補正予算やコロナ対応の条例新設などで臨時議会を開く。お隣の杉並区議会も、補正予算の審議のために来週は臨時議会だ。練馬だって、臨時議会を開いてもおかしくないと私は思います。

委員会の開催・中止は正副委員長が判断するということになっている以上、中止の決定について争うつもりはありません。しかし、その判断に対して私は強い異議を持っていることはきちんと明らかにしておきます。

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