Access
池尻成二事務所 〒178-0063 練馬区東大泉5-6-9 03-5933-0108 ikesan.office@gmail.com

22,000台

予算の質疑から、いくつか。
大泉第二中の道路問題は、「都市整備費・土木費」のところで取り上げました。今回は、135号、232号の二つの道路事業の意義、必要性について質しました。学校がどうなるかということと合わせ、そもそも何のための道路なのか、本当に必要なのかということも整理しなければならないと考えたからです。
表題の22,000台というのは、135号線を通る1日当たり交通量の推計です。推計したのは東京都、7年前、「優先整備路線」に選定した時の推計です。予算審議にあたって、区を通して都に確認させたものです。それにしても、22,000台! 現在の学芸大通りの交通量は、区の調査では8,000台ちょっととされています。それが22,000台になるというのです。3倍近く。どこから車が集まってくるのでしょう??この通りの交通量になったらなったで沿道地域はたいへんですが、しかし、これだけの車が通る、言い換えれば135号線にそれだけの交通需要があるとは、私にはどうしても思えません。
区の答弁は、まったく説明にならないものでした。基本になる交通量調査がもしいい加減なものだったとしたら、道路事業の基本が崩れかねない話です。道路整備に伴う負の影響が全く考慮されていないだけでなく、道路の必要性まで適切に評価されていないということになるのですから。このほか、都と区が135や232整備の目的として挙げた「都市再生」についても聞いています。以下に質疑の記録を転載しますので、ご覧ください。(記録は議会事務局作成のものですが、未定稿であり、正式な議事録ではありません)

池尻成二委員 229ページ、街路灯新設改良費、関連して217ページの都市整備推進費で伺います。
都市計画道路の135号線と232号線については新年度予算で測量費等が盛り込まれているということです。この二つの道路事業については大泉第二中学校の敷地を分断するということで、地域でも、また議会でも大きな議論を呼んでいるところですけれども、二つの路線は、いずれも都市計画自体は、もう50年前に定められたものです。
それが、ここに来て一気に動き出したのは、7年前に都と区が区部における都市計画路線の整備方針というものを取りまとめまして、この中で、この二つの路線を優先整備路線に位置づけたところから始まっております。 数ある都市計画路線の中で、この路線を優先整備路線、つまり、2015年度までに着手すべき路線とした理由は、大泉学園駅付近の交通混雑の緩和および都市再生を図るためと、都と区は説明しております。
私は、一般質問で、この「都市再生」が何を意味するかということを伺ったのに対して、答弁では「都市再生特別措置法」を挙げまして、急速な社会経済の変化に対応した都市機能の高度化および都市の居住環境の向上を図ること、これがこの二つの路線を優先整備する理由だとご説明がありました。
この都市再生特別措置法を改めて読んでみたのですけれども、法の対象とする緊急整備地域というものを指定する仕組みとなっております。東京都でいえば、東京駅周辺、新宿駅周辺、渋谷駅周辺、六本木、秋葉原、臨海地域などが指定されているようです。こうした、いわば拠点中の拠点とも言うべき地域、巨大再開発地域を対象とした法律が、農地や緑と静かな住宅街で形成された東大泉や南大泉のまちに道路を引く際の根拠と関連づけて持ち出される理由が、なかなかわかりません。改めて、この「都市再生」が何を意味するか、お聞かせください。

 

交通企画課長 都市再生の意味というご質問でございます。
既にご答弁申し上げているとおり、国が都市再生特別措置法を制定し、先ほど委員がおっしゃられたとおりでございまして、また、国が特別措置法に合わせまして示した都市再生方針によりますと、都市再生の重点分野として活力ある都市活動の確保、また災害に強い都市構造の形成、それから持続可能な社会の構築、さらには、安心で快適な都市生活の実現などを挙げておりまして、都市が持つ幅広い機能を再生していくことが「都市の再生」ということでございます。

 

池尻成二委員 多義的な面がないわけではないと思いますけれども、実は、区がこの道路事業に伴うまちづくりの範囲として示しているエリアがありまして、「大泉学園駅南側地区」と呼んでいるわけです。このエリアについては、駅のごく近傍や学芸大通りの沿道などの一部を除けば、一面の住居専用地域です。「都市再生」という言葉、コンセプトについては、少なくともこの地域のまちづくりの課題にふさわしいと思えませんし、したがって、またこの地域を貫く道路事業を進める際の根拠として適切ではなかろうと私は思います。これは意見として申し上げます。
もう一点の理由として、混雑の緩和があります。大泉学園のアンダーパスの開通前に比べて南側の交通量が増加しているのは事実ですし、何らかの対策が必要であることも理解しております。むしろ、10年、20年もかかる道路事業を待たずに、具体的で実際的な混雑緩和や交通安全対策に知恵を出すことも含めて、やるべきであるとも思うわけですけれども、問題は、この混雑の緩和が新たな道路整備を必要とするものなのかどうかというところにあるだろうと思います。
整備方針を策定する際に、都と区は、それぞれ道路の通過交通量を予測しております。135号線の将来予測という数字をいただきました。それによると、2025年度で大泉街道から富士街道の間の区間で一日2万2,000台。これが交通量の推計だそうです。現状はといえば、例えば学芸大通りの交通量は24時間推計で8、000台程度と聞いております。一体どこから2万台を超える車両が、この135に集まってくると想定しているのでしょうか。お聞かせください。

 

交通企画課長 区部における都市計画道路の整備方針策定時の将来交通量の推計についてでございますが、これは、今、委員がおっしゃられました、2025年に優先整備路線として第3次事業化計画に位置づけられた区間が完成したという道路ネットワークをベースといたしまして、配分交通量を推計いたしまして、算出した結果でございます。

池尻成二委員 そういうことを伺ったわけではなかったのですが。2万2,000台という数字は、正直に言って非常に異様です。この2万2,000台の車が、現実にあそこの135号線の計画地を通るとしたら、これも大変な話ですけれども、学芸大通りで8,000台ちょっとしか今車が通っていない。一体どこから、どうやって2万2,000台の車が集まってくるのかという、推計そのものの根拠、客観性を私は非常に疑います。
この問題に限らず、実はこの135、232の必要性を考える際の必要性を考える際の交通量推計、もう少し言うと交通需要の見通し自身が極めていいかげんではないかということを率直に私は感じます。 135号線、232号線の整備の必要性、効果については、まちづくりの理念としても、あるいは交通需要の把握という点でも粗雑に取り扱われてきたのではなかろうかと言わざるを得ません。
しかも、この道路については、地域にさまざまな影響と負荷を与えるということで、その象徴が大泉第二中学校の問題となっているわけです。
一般質問での質疑の中で、大泉第二中学校への影響を考慮して、135号の富士街道までの区間を先行して整備することも視野に入れて今後検討するというご答弁があったやに聞いております。これは、現在の長期計画の変更につながるという点では、なかなか大きな転換であると思いますし、こうした議論が広がったことについては私自身も大いに注目をしたいと考えているわけですけれども、1点確認なのですが、もし、135を先行して富士街道まで整備するとした場合に、232については優先整備路線から外すこともお考えになるという理解でよろしいのでしょうか。

交通企画課長 232号線を、今、委員おっしゃられたものは可能性の一つとして今後検討していくというものの範躊だと思っておりまして、そういったことも含めまして、今後の検討課題だととらえております。

 

池尻成二委員 先の検討にというところも多いと思いますけれども、たとえ135号だけになったとしても、学校への影響が甚大であることには基本的には変わりはないと私は考えます。また、232号が優先整備路線から外されない以上、いずれは校庭内で交差点ができることも避けられません。学校道路が分断することのないような道路計画の変更こそが肝要であるということを申し上げて、この項を終わりたいと思います。

 

コメント