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道路に貫かれる学校(その3) ~数字が伝えるもの~ 

区の指定交通量調査結果に記されたロードふじみの18~19時、下り方向の大型車両通行量は、間違いなく事実に反する数字です。当然、この調査の数字をそのまま引きうつした「みちづくり・まちづくり通信」も、事実に反する広報をしたことになります。
 「通信」に記載されたのは、右のグラフです。あらためて見てみましょう。

このグラフによれば、平成7(1995)年度と比べて平成15(2003)年度、車両の総通行量はほぼ倍増しています。これは、大泉学園駅西側のアンダーパスが開通したことに伴って周辺の車の流れが大きく変化したことによるものでしょう。しかし、その後も交通量は増加を続け、平成20(2008)年度にかけてわずか5年の間に車両台数はさらに3割強も増えたことになります。このグラフが意味するものは、たぶんこうです――アンダーパスの開通に伴う交通環境の変化をきっかけとして、ロードふじみの通行量は一貫して大きく増加し続けている、と。
しかし、もし元になる交通量調査の数字が違っていたとしたらどうなるか。たとえば、18時~19時の下りの大型車両の数字が1003台ではなく前後の時間帯や上りの台数と同程度の数字、たとえば3台だったとしましょう。そうすると、この時間帯の下り車両台数は101台、12時間の合計では下りのみで973台、上下合わせて1,580台になります。ということは…?
もし問題の数字が「1,003台」ではなく「3台」であったとしたら、交通量の経年変化は1,026台➠1,996台➠1,580台となります。ロードふじみの通行量は、平成15(2003)年度からの5年間でむしろ2割減ったことになるのです。もし数字がこうしたものであったとしたら、その意味するものはアンダーパスの開通をきっかけに抜け道を探す車両が一気にロード富士見に押し寄せたが、その後、車両はある程度、分散し、通行量自体は減少と落ち着きを見せている…といったものになるでしょう。もちろん、この数字であってもかつてと比べればロードふじみの交通量は大きく増えているわけですから、検証と何らかの対策が必要であることは間違いありません。しかし、数字が伝える事態の傾向と深刻さは、雲泥の差があります。
故意かミスかはともかく、結果として区が虚偽の数字を持ち出したことによって、ロードふじみの交通環境に関して区民はまったく違った世界を見せられていた可能性があります。ロードふじみの交通環境は、135号線の道路事業の必要性を考える際の最重要な論点の一つであった、少なくとも区はそう語ってきただけに、たいへん深刻な問題です。

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