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許される事態なのか? ~桜台第二保育園~

もう一つ、最近の保育園「委託化」の大きな課題、困難を象徴するような事態が起きていました。桜台第二保育園。2016年4月から本委託となった園で、委託事業者は社会福祉法人・陽光会です。

桜台第二保育園は、定員125人。委託にあたって、区が定めた職員の配置基準は次のようになっています。

園長以外に、常勤の保育士を22人確保すること。これが、委託にあたって区が求める人員配置の条件です。この人数は、国の基準をベースにしつつ0歳や1歳に区独自の加算を置いたもので、長く区の保育事業の基準となってきたものです。いわば練馬区の保育の「質」を担保する、人員上の条件ということになります。

ところが、桜台第二保育園、実は委託の開始当初からこの必要人員を確保できていませんでした。先の議会中に所管課から詳しく聞き取った、同園の常勤保育士の人数の変遷はこうなっいます。

2016年4月 常勤21人でスタート
  12月  22人に
2017年4月 22人
  7月に1人離職。2月に1人、3月に2人が離職、常勤は18人に
2018年4月 3人新たに採用して21人に
2018年10月 1人採用して22人に
2019年7月 1人離職して21人に
  8月 1人増えて22人に
  8月 2人減って20人に
  10月 1人増えて21人に
2020年4月 22人になる見込み

驚くべき状況です。委託開始から丸4年、基準の22人がいた期間は1年ちょっとにしかなりません。保育士の入れ替わりが激しい、経験が不足しているといったレベルの問題ではありません。保育士の数そのものが足りていない状況が常態化していたのです。

とても深刻な事態だと、私は思います。さらに問題なのは、この桜台第二保育園の実態が議会では全く報告もされず、私が昨年の決算審査、そして先の予算審査で追及して初めて明らかになったということです。保護者は、基準に満たない状況であることを知らされていたのでしょうか??
さらにもう一つ。あえて指摘しておきます。2018年12月、区は『区立保育園運営業務委託検証結果報告書』を取りまとめ、公表しました。第一次の委託化を振り返り、第二次の入り口を開くための節目となった報告書です。この報告書が取りまとめられたとき、実は桜台第二保育園は文字通り綱渡りを続けていたことになります。なぜこの状況を、『報告書』は真摯に受け止め、検証課題としなかったのか。不思議でなりません。この『報告書』は委託を進める所管課である保育計画調整課がとりまとめたものです。まさか、意図的に隠したわけではないでしょう…そう信じたいですが、いずれにしても、みずからの事務事業をみずから「検証」することがいかによくないことかを改めて痛感させられます。

氷川台や南大泉の準備委託にまつわる課題、そしてこの桜台第二保育園の深刻な事態。安易な「委託」を見つめ直すことを迫っています。

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