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池尻成二事務所 〒178-0063 練馬区東大泉5-6-9 03-5933-0108 ikesan.office@gmail.com

問われる事業の“公益性” ~石神井公園駅前「再開発」~

石神井公園駅南口の市街地再開発事業については、この間、このブログでも繰り返し取り上げてきました。

高さ100m、26階建ての超高層のタワーマンションを駅至近の場所に建てようというこの計画は、石神井公園駅周辺のまちづくりにとって大きな禍根を残すものだと私は考えてきました。
9月に、この再開発事業を進める主体となる組合の設立が認可されました。いよいよ事業に向けて動き出した、そう見る向きもあります。しかし、「再開発」の是非をめぐる議論は終わっておらず、地権者などから訴訟が起こされ、さらには区議会での関連手続きも数多く残されているのが現状です。その中からいくつかのポイントについて書いてみます。
① 区の財政負担について
② 石神井庁舎の“移転”について
③ 補助232号線について
まず、区の財政面から見た問題です。

事業費の55%、125億円が税金!

組合設立認可の申請にあたって提出された事業計画には、財政収支の見通しも示されています。 事業費総額は230億円、巨大な事業ですが、その内訳を見るとこうなっています。

事業計画書中『資金計画書』から作成

この表の赤字の部分が税金です。一見して、あまりに多くの税金が投入されることに驚きます。投入される税金は、総額で125億円にのぼります。単純に計算すると55%、つまり半分以上が税金になります。これはもう、一民間の再開発事業ではありません。事実上の公共事業です。公共事業にふさわしい公益性と透明性が不可欠の事業です。
少し詳しく見ていきます。
投入される230億円の税金のうち37億円は、補助232号線という道路の整備のために支払われます。少々ややこしいのですが、この再開発事業は、事業区域内に計画されている都市計画道路補助232号線の整備を一体的に進めることになっています。本来なら練馬区がみずから整備する道路なのですが、再開発区域内に限っては市街地再開発事業の一環として道路を整備し、整備にかかる費用を練馬区が清算するという仕組みになっています。この道路整備にかかる経費、「公共施設管理者負担金」と言われる経費が、37億円になるのです。

道路1mに4千万円!

37億円という金額は、凄まじい額です。再開発区域内の232号線は、延長90mに過ぎません。わずか90mの道路に37億円もの税金をつぎ込もうというのです。1mあたりにするとなんと4000万円を越えます。
道路をたった1m延ばすために、4,000万円の税金が消えていく。それほどに必要な道路、切実な道路なのか? この点は次の機会に触れますが、とにかく「再開発」とセットで作られようとしている道路の是非は、税支出の適否という視点からも大いに議論の余地があることは指摘しておきます。
     → 問われる事業の“公益性” ~石神井公園駅前「再開発」(続)~

駅南口のロータリー先から富士街道までの区間で事業中。破線内は再開発事業で整備。

コメント

  1. 長島春美 より:

    この事実を区民全員が知る必要がありますね。
    泉明石市長が言っていた通り、国も地方も税金を利権に流しているとしか思えません。
    これこそ選挙の最大の論点にして頂きたい。
    お金のことは誰もが関心を持つし分かり易いのです。
    ただ、この表はちょっとわかりにくいです。
    売却収入の中に練馬区が買う価格は含まれているのですよね。
    もう少し何にいくら使うかという方も含めて、全体像が知りたい気がします。