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練馬区はなぜ学校名を隠すのか? ~給食費“着服”事件~

 練馬区立の学校で、非常勤の事務職員が1000万円以上の給食費を着服し、解雇されました。まずは、区の公式発表を確認してください。

     ➡練馬区公式Hp 「区教育委員会非常勤職員の処分について」

 この公式発表とおおむね同一の報告が、プレス発表と同日、区議会の所管委員会でも行われています。さて、この発表を読んで、私はいくつも不可解な点を見つけました。

■事件が起きた学校名が公表されていないのはなぜか
■1年を限りの契約である非常勤職員が、金銭の出納管理まで任されてよかったのか
■区は「告訴する」としているが、誰が、何の罪を以て告訴するのか。横領の罪は問わないのか
■解雇は7月18日とされているが、なぜ解雇から公表まで1か月以上もかかったのか
■1000万円を超す不正な操作が行われたにもかかわらず、なぜ4年間にわたってチェックできなかったのか

 私は、これらの疑問を徹底して解明していくつもりです。とりわけ、学校名を公表しない区教委の対応は、断じて許されるものではありません。
 学校名を明らかにしないということは、その学校の保護者に対する説明も謝罪も行わないということです。しかし、着服された1000万円は、他の誰でもない、それら保護者が支払ったお金です。厳密に言えば、着服されたのは学校でも練馬区でもなく、その学校の保護者です。なぜその保護者に対して、学校や教育委員会はきちんと向き合わないのか?
 練馬区では、給食費の管理はいわゆる「私会計」で処理されています。つまり、支払われた給食費は区の歳入として計上されず、各学校長の責任において管理され、食材購入等で支出される際も区の予算に基づく支出ではなく、各学校長の裁量による支出という形をとります。その給食費が着服されたのです。事態を解明するためにも、また責任を明確にするためにも、学校が特定されることは大前提です。

 それだけではありません。区の発表をよく読むと、こう書かれています。
■当該の非常勤職員が着服した金額は、総額で1,082万円である
■そのうち、食材業者への未払い分が約960万円になる

 ここで問題です。1,082万円-960万円=122万円。この差額はどうなったのでしょうか?
 この122万円は、年間の給食の中で出た残金であったということになります。なぜなら、区の発表によれば業者に払うべきものを着服したのは960万円だけだからです。しかし、もしこの着服された122万円が給食費の執行残であったとしたら、それは清算して保護者に返金されるべきではないのか? 年度間の繰り越しが会計上、許されるとしても、少なくともそのことを明示した決算・予算があらためて保護者に示されるべきではないか?
 昨年度の給食会計は、すでに監査も終え、着服を見抜けないままに保護者に報告されているようです。だとすれば、この122万円に限っても、保護者に返金するか、または決算のやり直しをすることは最低限の義務であるはずです。
 結局、こうなのです。きちんと学校名を公表し、当該校の保護者に対して説明と謝罪をすべきである、と。教育委員会の皆さん、練馬区の皆さん、そして当該校の学校長、違いますか?
 事実関係をきちんと解明し、今後同じことを繰り返さないための真剣かつ効果的な対策を見出していくためにも、学校名の公表は不可欠です。何のために、なぜ隠そうとするのか? 繰り返しになりますが、学校名すら公表しない区・区教委の姿勢は、決して許されるものではありません。

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