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池尻成二事務所 〒178-0063 練馬区東大泉5-6-9 03-5933-0108 ikesan.office@gmail.com

特定秘密保護法案に反対します

 自民党と公明党が「特定秘密の保護に関する法律」案の一部修正で合意し、今週末にも国会提出というところに来ています。私は、この特定秘密保護法案に反対します。
 自公両党で合意した修正は、法案に「知る権利」を明記するものとも報じられています。しかし、それは間違いです。修正された21条は、こうなっています。

第21条 この法律の適用に当たっては、これを拡張して解釈して、国民の基本的人権を不当に侵害するようなことがあってはならず、国民の知る権利の保障に資する報道又は取材の自由に十分に配慮しなければならない

 この条文を「知る権利」を保証したものと読むことは不可能です。第一に、この条文は「この法律の解釈適用」と題されて、雑則の中に置かれているものでしかありません。法を貫く原則、あるいは基本的な理念ではなく、あくまで「解釈」や「運用」にあたって留意すべき事項という位置づけです。
 第二に、「国民の知る権利」は、それに「資する報道または取材の自由」との関連でしか語られていません。報道があろうがなかろうが、報道・取材の一部であろうがなかろうが、国民の知る権利はそれ自体、独立した、固有の、より根源的な権利です。この条文修正は、法案に強く反発しているマスコミへの慰撫ではあり得ても、直接に国民の知る権利を保障する根拠とはなりえません。
 しかも第三に、条文は「配慮」を求めているだけです。配慮するのは行政権力の側であって、これは国民が依拠すべき権利規定とはおよそ異なるものです。
 こうした修正では、法案の本質は何ら変わらないというべきです。公明党がこの程度の修正で法案提出に応じたとすれば、極めて残念なことです。
 国会の構成からしても、法案が成立する恐れはとても強いと思われます。一地方議会の一議員がその意思を明らかにすることにどの程度の意味があるのかも、よくわかりません。しかし、民主主義や自治、区民(国民)主権にとって行政の情報管理が持つ決定的な意味を日常的に痛感している立場として、まずはみずからの立場を明確にすべきと考え、反対の意思を公にします。

     ➡日本弁護士連合会 「もっと情報公開を! 秘密保全法制に反対します」 はこちら
     ➡NPJ(News for the People in Japan)の 「特定秘密保護法資料」 はこちら

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