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池尻成二事務所 〒178-0063 練馬区東大泉5-6-9 03-5933-0108 ikesan.office@gmail.com

檀一雄さん

 今日17日で、3日間の一般質問が終わります。今週は明日から常任・特別委員会で議案の審査、そして来週からは予算特別委員会での予算審議へと入っていきます。これからが本番、過酷な(実感です…)日々が続きますが、ちょっと一息。

 新年度予算案に、檀一雄さんの書斎を保存する事業というのが盛り込まれています。長く石神井に居を構えていた、練馬ゆかりの作家です。さらに言えば、私の父の生まれ故郷である久留米市や私自身が育った福岡市など、私にもとても縁の深い地で暮らしていたこともある人です。そんなこともあり、この書斎保存の話などを父に書き送りました。その返事に、こんな一節が。

「檀ふみさんと元福岡シティ銀行の四島司さんとの対談集に、能古島にある檀一雄の墓碑銘の詩というのが紹介してあります。(私は実物は見ていませんが)
  石の上に雪を 雪の上に月を
  やがて わがこともなき
  静寂(シジマ)の中の 憩いかな
というのですが、藤村、朔太郎以来の現代詩の中で、私の最も愛誦してやまないものの一つです。」

 ふ~む、なるほど。文学に関してはそもそも父には歯が立ちません…。しかも、『火宅の人』の主人公といわれる女性が、母の高等女学校の同級生だとか。いやいや、これは面白い、などと言うと叱られますかね。
 文学者とか作家といえば、書店にならぶ作品の帯で顔を見る程度、良くも悪くも日常生活のリアリティから遠い存在に感じられてしまうのですが、実は、この町、あのかいわい、この人、あの家に縁があったのだと思うと、親近感と存在感が一気に増して感じられます。「文化」は、実は、いつも暮らし、社会の中にあった、いや、もしかしたらもっとも敏感に暮らしや社会とつながっていたのかもしれない。最近の文学はどうなのでしょう?議会資料とのにらめっこに終始する毎日ではいけませんね…。

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