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池尻成二事務所 〒178-0063 練馬区東大泉5-6-9 03-5933-0108 ikesan.office@gmail.com

廃プラをどうする?

 プラスチック漬けの毎日の生活の中で、大量に排出されるプラスチックごみ(廃プラ)。埋立地に限りがある以上、不燃ごみとして埋め立てられてきたこのごみをどうするか、誰もが問われています。燃やしてしまうのか、資源としてリサイクルするのか、あるいはそもそも減量に取り組むのか…。
 23区が出した答えは、今年度から分別区分を変えて廃プラと皮革とゴムを燃やせるようにするというものです。一部事務組合の計画によれば、23区で行政回収される不燃ごみは年間59万トン。これが新しい分別区分に変わると、不燃ごみは21万トンに減り、残り38万トンは、資源にならなければ可燃ごみにうつることになってしまいます。
 この数字を見て、まず感じるのは、23区の清掃工場の過剰ぶりです。そうか、今の清掃工場には30万トン近くもごみが増えても問題なく焼却できるくらい、“余裕”があるんだ…30万トンと言えば日量1000トン、平均的な規模の工場二つ分になろうかという量です。23区や一組が我先にと廃プラ焼却に走っていくのは、工場が余っているから? そう勘ぐりたくなる数字です。


 工場が余力たっぷりだということを知っているのでしょう、廃プラの減量や資源化に向けた各区の取り組みは遅々としています。23区のうち、ペットボトルやトレイ以外の「その他の容器包装プラスチック」にまで資源化の範囲を広げた区は、いまだに半分程度しかありません。他の区は、この「その他」プラは燃やしてしまおう、という姿勢です。資源化より大切な減量の取り組みとなると、ほとんど動きが見えません。なんでこんなに危機感がないんだろう? まずは減量、ついで資源化、燃やすのは最後の手段と、誰もがおおやけには言ってきたのに、資源化の努力もそこそこに燃やしてしまうのは約束違反では?
 結局は、燃やす方が楽だし安い…どうみても、本音はこれです。でも、ちょっと待ってほしい。廃プラなどの不燃ごみを燃やすことによる環境負荷や工場管理のリスクは別としても、資源化や減量の努力を怠れば清掃工場をどんどん建替える羽目になり、何百億、何千億という税金がいるんですよ。それでもいいんですか…
 すでに、一組の予想を超えてごみ量は減り続けています。
ごみ量、予測を15万トン下回る!
 工場を減らすチャンスです。一組が2020年までに建替えやプラント更新を予定している工場は6つ。この間の施設整備費は1500億円にもなろうかと言います。埋め立てが難しくなったからといって安易な焼却に流れるのではなく、むしろごみを減らし、資源化を進め、清掃工場を減らしていこう! そう呼びかける区が出てきてほしい。廃プラは、燃やすよりも減量と資源化のための真剣な努力を。環境のために、財政のために、未来のために。

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