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池尻成二事務所 〒178-0063 練馬区東大泉5-6-9 03-5933-0108 ikesan.office@gmail.com

年の瀬

 28日に事務所を閉じるはずが、あれやこれやと仕事が残ってしまい、今日ようやくめどが立ちました。まちの空気もどこかざわざわと、それでいて身ぎれいになろうと身構えているようで、年の瀬らしい空気が漂ってきます。
 今年は、帰省もせず、自宅での年越しです。事務所の残務こそ片付くめどが立ったとはいえ、自宅の方はいまだ悲惨な状況で、これはたぶん、年が変わってもこのままでしょう、悲しいかな。それでも気分だけは、さて、この一年は、これからの一年は、とそれらしくなってくるから不思議です。
 ここのところ、「よい一年だった」と思えることが本当になくなりました。50年も生きてくると、さすがに、時代の変化とでも言うべきものをそれなりに跡付けられるようになるもので、今思えば、たくさんの矛盾を抱えながらも60年代、70年代はもっと明るかった気がします。希望が持てたからか、豊かになっていくという期待があったからか…もちろん、そうしたこともあるのでしょうが、庶民が時代をつかむ、社会を動かすという実感が持てたことも大きかったのかもしれません。つかむと言ってもつかみ損ね、動かすつもりがこけてしまうような有り様であったとしても、それでも、庶民は確かに時代と社会のひとつの主役だったように思います。
 今は、時代は勝手に動いていく。社会は、手の届かない、遠いところで作られ作り変えられていく。ばらばらにされた個人と、対極にある巨大な富や権力とのあいだの深刻な亀裂は、今という時代の特徴かもしれません。地べたを這うように広がりつつある不安や不信の空気もまた、そうした時代と無関係とは思えません。
 顔を思い浮かべることのできるあの人やこの人の、笑顔が新しい年も絶えませんように。最後は、手を取れる人の笑顔が気持ちを支えてくれるはずです。

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