Access
池尻成二事務所 〒178-0063 練馬区東大泉5-6-9 03-5933-0108 ikesan.office@gmail.com

反古にされた「基本構想」  -決算2日目-

「…身近な地域生活施設を近隣住区単位に整備する。また、それらを包含する住区の核として、出張所の機能を拡充した地域自治センターをつくり、区民の自主的活動の条件づくりをすすめる。」

 出張所を「拡充」し、「区民の自主的活動の条件づくり」を進めること、言い換えると自治とコミュニティ形成の拠点として出張所を見直すこと、それを「地域自治センター」と呼ぶこと。これは、練馬区基本構想の一節です。
 基本構想は、市町村がその仕事を「総合的かつ計画的」に進めるために議会が議決して定めるもので、市町村はこの基本構想に「即して」事務を行わなければならないとされています。地方自治法という法律に、そう書いてあります。

「市町村は、その事務を処理するに当たつては、議会の議決を経てその地域における総合的かつ計画的な行政の運営を図るための基本構想を定め、これに即して行なうようにしなければならない。」(地方自治法2条4)

 ところが、区は、この「地域自治センター」構想をとっくの昔に反古にしてしまっていたのです。

「だいぶ前に地域自治センター構想…があったが見直しをされ、それらの構想も取りやめている。」

 これは、2000年1月、今からもう8年近く前に<練馬区明日のふるさとづくり懇談会>での区民部管理課長の発言です。そして、今日の決算特別委員会で、企画課長は私の質問に対して、この管理課長の見解を再確認しました。
 でも、これって法律違反じゃないの?基本構想があり、地域自治センターがあり、区はそれに「即して」区政を進めなければならないはず。ところが、議会が決めたことを行政が勝手に「取りやめ」てしまう。法律が、議会の議決が、こんなに軽んじられていいのでしょうか?
 基本構想が作られたのは1977年。もう30年前になります。状況が変わった、古くなったという意見があり、区も基本構想の見直し作業を始めています。見直すことは構いません。しかし、見直す前に、いや何をどう見直すかさえまだほとんど白紙の中で、今ある基本構想を反古にするようなやり方は、認めるわけにはいきません。
 それにしても、「区民との協働」や「地域コミュニティの再建」が大いに語られている今、地域自治センター構想、なかなかおもしろい。少なくとも、目先の経費節減に目を奪われて、ひたすら効率化と職員削減に走る出張所「改革」に比べれば、はるかにふくらみも奥行きもあると思いませんか?

コメント