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池尻成二事務所 〒178-0063 練馬区東大泉5-6-9 03-5933-0108 ikesan.office@gmail.com

参院選の結果 ~始まったもの~

 参院選が終わりました。市民の声ねりまとしては、ほとんど主体的に関わることのできない悔しい選挙でしたが、それぞれにいろんな思いと判断の中で投票なさったと思います。さて、この結果をどう見るか。

 開票結果のうち、練馬区分をこれまでの流れの中で整理してみました。(参院選のうち、特に記載ないものは比例区の数字です)
 自民党の“復権”ぶりは際立っています。ただ、こういう結果になることは予想されたことではありました。問題は、この自民党、あるいは政権与党の勝利が何に支えられたのか、またどのくらい盤石なものかということです。参院選はとても期間が長いので、選挙戦が生き物として見えてきます。そのなかで、攻める側も守る側も、最後は生活、経済にかなりのウェイトを置いていたようにも見えます。「アベノミクス」と言われる経済・社会政策に対する評価が、やはり大きな争点であったということでしょうか。そして、とりあえずは期待感、幻想、そうしたものが批判と不信を圧倒しました。
 他方で、印象的であったのは、共産党の躍進、そして東京選挙区で5つの議席のうち共産党と山本太郎候補が当選したということです。アベノミクスや更に広く“安倍的なもの”に対する不信と反発が野党の中で最も組織力があり、クリアな対決軸を作ってきた政党(共産党)と、脱原発を人格的に象徴するところに立ちえた山本太郎さんに結晶したという印象を受けます。民主党政権の瓦解の中で行き場を失い、さまよってきた反自民票、あるいはリベラルな市民票がひとつの表現を手にした選挙だった、というのは言い過ぎでしょうか。いや、確かに何かが始まった選挙でもあった…そう思いたい。
 もちろん、この表現はたぶんに仮のもの、表面的なものであるとも思えます。また、大勢的にはまだまだ少数を代表するだけです。特に、争点は経済や生活にシフトしたとしても、結果は独り歩きしていきます。勝ったのは同時に改憲勢力であり、原発推進勢力です。人権や平和、福祉に基礎を置きつつ政治に携わってきた私たちに、覚悟を迫る厳しい状況です。
 今回の選挙を見ていて、明確な対立軸、政策的な立ち位置を持ちつつ、開かれた、市民生活と市民感覚に踏まえた政治勢力や政治組織を鍛え育てることが本当に大切だと、私は感じました。たくさんの市民が、今の政治の動きを危惧し、意思を表明する道を探しています。その声は、これからの安倍政権の動きの中で、きっとますます大きくなるでしょう。そのことを信じ、また責任として引き受けなければならないと、今、思っています。

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