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池尻成二事務所 〒178-0063 練馬区東大泉5-6-9 03-5933-0108 ikesan.office@gmail.com

区の負担は3700万円! ~清掃工場の水銀(その5)~

 今日30日の区議会清掃リサイクル等特別委員会で、水銀で稼働停止となった光が丘清掃工場の状況が報告されました。委員会資料から、かいつまんで紹介します。
 まず、水銀汚染の状況から。ごみには常に微量の水銀が含まれるのですが、それらはろ過式集じん器や塩化水素除去装置、最後は脱硝装置を通過し、通常のごみであればこの過程で除去されます。しかし、今回は不適正に大量の水銀が持ち込まれたために、こうした通常の管理システムでは除去しきれず、外気中に放出されたと見られていますが、この最終行程、つまり脱硝装置の触媒に付着した水銀量が明らかになりました。資料によると、もっとも汚染がひどい足立清掃工場では、触媒1㎏中の水銀量は11~65㎎。板橋工場では0.19~0.41、光が丘は0.11~1.1だったとのことです。この数値を根拠に、光が丘と板橋は触媒の交換などの大規模な補修をせずに稼働できると、一組は判断しています。
 また、排出された水銀の環境リスクについて、少し詳しい評価が示されています。資料の文章をそのまま採録します。

 「今回排出した水銀による大気への影響をみると、7月8日から9日の排ガス濃度から求めた水銀排出量で、法令で定められた第三者機関よりシミュレーションした結果、大気中の濃度は最大濃度出現地点で0.00013μg/㎥となり、平成21年度光が丘清掃工場一般大気環境測定の平均濃度0.0020μg/㎥程度と合わせても環境省の定めた大気環境中の水銀指針値0.04μg/㎥(年平均)を下回っています。このことから、直ちに周辺地域に環境汚染や健康被害を生ずることはありません。」

 「第三者機関によるシミュレーションの」詳細は分からないのでこのリスク評価の結論を検証する材料はありませんが、住民や議会とリスク・コミュニケーションを行う一歩がようやく踏み出されたことは評価したいと思います。
 光が丘工場の再稼働の見通しについては、資料は「2号炉から再稼働を開始し、ごみ投入後の水銀濃度の監視を続けながら安定稼働に移行します。1号炉は2号炉の安定稼働確認後、再稼働を開始します」と書いています。ただし、30日4時の時点では、再稼働したとの報告は区には来ていません。
 いくつもの工場が停止したことに伴うごみ処理の体制については、現在は練馬のごみは豊島工場と北工場に搬入されているようです。「通常の作業と同様に処理をしている」と区は言っています。それ自体はほっとすることではありますが、収集運搬体制の変更に伴って、12日から27日までで3700万円追加経費が必要になったとのこと。雇上会社、あるいは日々雇用も不含めた運転手や作業員の方には大きな負担をかけて来たはずですが、、財政的にもとんでもない支出を迫られたことになります。本当に、水銀を持ち込んだのは誰か、なぜ持ち込まれてしまったのか、厳しく問わなければなりません。

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