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池尻成二事務所 〒178-0063 練馬区東大泉5-6-9 03-5933-0108 ikesan.office@gmail.com

一組(清掃一部事務組合)の“怪”

 練馬区内にある光が丘清掃工場で、今週月曜から被災地の「がれき」の受け入れ=焼却が始まっています。この受け入れをどう考えるか、議会にも、会派にも、また私自身もいろいろなご意見をいただいてきました。この間、私としては
①復興を求める被災地自治体と住民の最善の選択という点から、広域処理の必要性に立ち返って幅広く検証すべきであること
②「がれき」の搬出、移送、焼却にともなう環境負荷(リスク)についての調査の精度を高めるとともに、議会、住民に対し十分に説明責任を果たすこと
③「がれき」を受け入れない場合との環境リスクの相違を検証し、可能な限りリスク軽減の措置をとること

などを求めつつ、「がれき」処理をチェックしていくという立場に立ってきましたし、今も基本的にはこうした立場は変わっていません。
 そんな私にとって、現に受け入れが始まる中で、実際に工場の現場に行き、受け入れや環境対策の状況をこの目で確認したいという思いは抑えがたいものでした。だから、一組(23区清掃一部事務組合)に申し入れたのです。視察をさせてくれ、と。
 しかし、一組は頑として視察を拒絶しました。一組を設置したのは23区です。光が丘清掃工場の地元区であり、かつ一組の設置母体の一つである練馬区の議会の一員が視察したいと申し入れたのに、一組の管理課長は「お断りする」と。理由は「環境測定などに人がとられて対応できない」とか、“不測の事態”があると困るからとか、いろいろ言いました。おかしな話です。別に、何人も行列してお出迎えしてほしいなどとは誰も思っていない。測定に人がとられるなら、本庁から説明に来ればいい。いやいや、そもそも測定のためにきちんと人も補充していないとしたら、それ自体がおかしな話だ。いやいやいや、いったい“不測の事態”ってなんだ!?

 光が丘清掃工場では、警備員が立っているそうです。何のための警備なんでしょう? しかも、わざわざ警備員を立てる。測定の人手すら足りないらしいのに、何人も警備員を立てる。議員の視察すら受け入れない…そんなに大変な、尋常でない状況であるというのに、この2週間の受け入れ期間中に小学校の社会科見学だけは受け入れる、しかも7校も受け入れるらしいのです。いったいこれは何だ? 警備員が警備する、そして職員が安全対策に追われている横を、たくさんの小学生が見学に入っていくという、この光景をいったいどう理解すればよいのでしょうか。
 冷静に、またオープンにリスクコミュニケーションを進めていく。そして、合理的に回避できるリスクは責任を持って回避するという基本中の基本の姿勢が、一組には全くと言ってよいほど感じられません。こんな対応をしていれば、不安はいやでも募り、不信はますます渦巻くでしょう。行政の在り方として、あまりに愚かしい。自治体--一組もまた自治体の一つなのですが、自治体として、あまりに情けない。

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