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ホリエモン

 ライブドアに捜索が入り、それをきっかけに株式市場がパニックにおちいったのを見て、冷水を浴びせられたと感じた人たちが結構、いたんじゃないでしょうか。
 「株」の価格変動を利用して差益を稼ごうとする、そんな単純な投機から始まって、株式の「分割」やら「交換」やら、なにやら秘密の部屋に入り込んだようにあれこれと登場するプロ化?した投機まで、とにかくあぶくのようなシステムのうえであぶくのような銭を稼いで浮かれている人たちが大きな顔、したり顔をし、それだけならまだしも、「個人投資家」が一種の流行となり、子どもたちの「総合学習」が株式投資の体験だなどというような時代の風潮が、私は好きではありません。そして、そんな時代の空気に乗ってもてはやされ、はては政治家になろうなどという人を私は信用できません。ホリエモンは、まさにそんな役回りをしてきました。
 「株」は、ただの紙切れです。「株」は、企業が得た利益に対する所有権をあらわすだけのものであり、配当を手にする権利ではあっても、それ自体は決して富は生みません。株の売買をする市場ができ、株が売買の対象となり、値が付き、値が動き、投機がはびこるようになっても、基本は同じです。株の投機で得られる利益は、どこかから付け替えられたものでしかなく、儲けた人の影には損をする人があり、儲かる時代の次には、大損の時代が必ず来るのです。今の株式バブルも、結局は、株の乱高下の一局面でしかないか、あるいは、大インフレのなかで庶民の生活苦によって清算されるようなものでしかないでしょう。ちょうど、一時代前の土地バブルがそうであったように。
 ホリエモンを見ていて、私は、時代の退廃を感じました。彼が選挙に出たとき、私は、民主主義の根ぐされを見て取りました。彼に同情すべき点があるとすれば、それは結局は、彼自身がもてあそばれる“若造”でしかなかったということでしょうか。誰の手のひらで?小泉サンも、その一人かな…
 

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