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池尻成二事務所 〒178-0063 練馬区東大泉5-6-9 03-5933-0108 ikesan.office@gmail.com

ゴミで、もうける…

 23区の清掃工場の管理運営に当たる「23区清掃一部事務組合」が、会社設立に向けて、しゃにむに走り出しています。会社とは、清掃工場の管理を請け負うだけでなく、ゴミを燃やすことに伴ってできる電力を販売する株式会社=営利会社のこと。この会社を、東京ガスとの共同出資で設立しようというのです。
 理屈はいろいろあります。それはまた、触れてみたいと思います。しかし、ここで何より肝心なことは、ゴミを燃やすことで利益を上げ、その利益があってはじめて存続できる会社を作るということが持つ、重大な意味です。


 廃棄物政策の基本は、今や「ゴミ減量」であり、各自治体では「ゴミゼロ」といった言葉すら日常的に飛び交うようになっています。練馬区のリサイクル推進条例の基本理念は、「脱焼却・脱埋め立て」です。

私たちは、今こそ、大量廃棄につながる社会経済活動や生活様式を問い直さなければならない。生産、流通、消費等の各段階で、廃棄物の発生抑制と資源の有効利用を図り、焼却や埋立てに頼らない、持続可能な循環型社会の確立こそ求められなければならない。(練馬区リサイクル推進条例より)

ところが、もしゴミがどんどん減っていき、焼却がどんどん縮小されていけば、新たにできる会社は、たちまち立ち行かなくなってしまうでしょう。ゴミを減らすのか、ゴミでもうけるのか。ここには、原理的な転換、施策の目標の原則的な対立があります。
 一組の計画では、この新会社が上げる利益を一組自身が受け取っていくことが想定されています。この会社を成り立たせるために、23区のすべての小中学校が、この新会社から電気を--ゴミを燃やしてできた電気を、買い取ることが想定されています。新会社だけでなく、一組も、各区も、ゴミを燃やすことに依存していく…恐ろしいことです。

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