Access
池尻成二事務所 〒178-0063 練馬区東大泉5-6-9 03-5933-0108 ikesan.office@gmail.com

オリンピックと外環道 ~外環道工事の今(その2)~

本線のシールド・トンネルを掘り始めるところまで進んできた外環道の工事。しかし、懸案は少なくありません。工事の困難さや、施工後の安全管理といったことは置くとしても、少なくとも二つ、大きな課題があります。一つは工期です。

東京都は、なんとしてもオリンピックに間に合わせたいと強く主張してきました。オリンピックは、2020年の7月24日から。工事は間に合うのでしょうか?
本線シールドトンネルは、2014年4月に工事契約が交わされています。それによると
南行 NEXCO東日本発注
  • 東名北 9,155m 工期2014.4.10~2019.6.2 鹿島建設ほか
  • 大泉南 6,986m 工期2014.4.9~2019.10.9 清水建設ほか
北行 NEXCO中日本発注
  • 東名北 9,099m 2014.4.4~2019.6.6 大林組ほか
  • 大泉南 6,976m 2014.4.4~2019.10.4 大成建設ほか
工期はいずれも2019年10月までとなっています。オリンピック前年の秋です。前回の記事でも触れたように、南行きも北行きも東名道から北に向かう工事はマシーン発進が目前のようですが、関越道から南に向かう工事はまだ立坑も完成していません。工期は守れるのか気になりますが、それでも本線シールドについて言えば、工事契約までは終わっています。
しかし、問題は地中拡幅部です。ジャンクションやインターチェンジの接続道路(ランプ)とシールドの本線をつなぐ部分は「地中拡幅部」と言われ、本線とランプをさらに大きなトンネルで包む形になります。径が40mを超えるとも言われる地中拡幅部の工事は、本線トンネルの外側を地中から掘り広げる形で進められます。たいへんな工事です。「本線シールドトンネルと連結路(ランプ)シールドトンネルを地下40m以深で非開削で繋ぐ部分である地中拡幅部の工事は世界最大級の難工事であり、相当の技術力を要す」と、国自体が認めている通りです。
この地中拡幅部については、東名ジャンクション付近に2か所、中央道に4か所、そして青梅街道インターチェンジ部分に2か所の計8か所に建設が予定されているとのことですが、そのうち工事契約までこぎつけたのは東名の部分のみ。この東名エリアの地中拡幅部工事の工期は、2020年の06月30日までとなっています。 オリンピックの開催直前、本当にぎりぎりの工期です。中央道はまだ設計の段階。そして、青梅街道ICは全く手がついていません。
本線はともかく、地中拡幅部については、中央道がオリンピックに間に合わせるのがやっと。青梅街道は絶対に間に合わない――これが、外環道工事の状況です。 (続く)

コメント