「保護樹林」

　練馬区が買い取ることによって開発を免れた東大泉の保護樹林を見学してきました。
　西武池袋線に近く、大泉学園の駅からも10分としない格好の住宅地。そこに、3000㎡ほどの樹林が残されています。屋敷林として、しっかりと塀に囲まれ大切にされてきたであろう歴史が、少し大げさに言えば、奇跡的にこのまとまった緑が生きながらえた理由だったのかもしれません。しかし、バブルがはじけて持ち主も苦境に陥ったのでしょうか、樹林は放置され、荒れるにまかされてもう何年にもなります。そしてついに開発業者の手に渡り、保護樹林の指定解除、伐採かというところで、「樹林を残そう」という練馬区長、区議会、緑化委員会、区民の声がひとつになり、買取が実現しました。

　樹林に入ったのは昨年の夏に続いて二回目ですが、多くの樹木が葉を落としたこの季節、また違った顔を見せてくれました。やはり印象的なのは中央に鎮座する？いやそびえる、かな…本当に見事なケヤキの大木。そして、ためらいもなくまっすぐに伸びあがった美しい竹の林です。
　買い取り価格は6億円ほど。安い買い物では、もちろんありません。緑の価値を感じ取ることのできる人の目線と感性が問われます。後悔しないためにも、大切に、生き生きと、この樹林を残し活かしていかなければ。