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池尻成二事務所 〒178-0063 練馬区東大泉5-6-9 03-5933-0108 ikesan.office@gmail.com

色づく木々の中、「学祭」で

縁があって、社会事業大学の「学祭」に行ってきました。もともと事実上の「単科」大学なので学生の数も多くはなく、「学祭」といってもこじんまりとしたものですが、そのぶん、一人ひとりの学生の顔がよく見え、声も、動きも柔らかな、とてもやさしい空気の「学祭」でした。
清瀬市の大学がある一帯は、まだまだ豊かな緑が残り、武蔵野の広々とした風景が残っています。おりから立冬を間近に控えた時期、樹木は色づきを深めるさなかで、しかもその色色の多彩なこと。暖かで穏やかな日差しが色づいた木々のあいだから差し込んで、癒される時間と空気を味わうことができました。
「学祭」といえば、私が大学にいたころは、まだ政治的なスローガンを大書した立て看がならび、社会的な関心と熱気がくすぶっていたものです。あたりまえですが、その頃とはずいぶんと変わりました。でも、今日、感じた学生たちの空気は、無関心でも無気力でもなく、保守的な気風でもありませんでした。
やわらかさは、いろんなものを受け入れ、包み込むことができる。今日の日差しのような暖かさは、何かを育てることができる。学生生活も、大学を取り巻く環境も、きびしく、めまぐるしく、過酷でさえある社会とはどこか隔絶しているけれど、だからこそ時間をかけて、じっくりと育てられるものもある。
もっともっと目を見開いてほしい。もっともっと知ることに飢えてほしい。やさしさに、すり切れない強さを織り込んでほしい。月並みかもしれませんが、期待したい、と思ってしまいました。

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