Access
池尻成二事務所 〒178-0063 練馬区東大泉5-6-9 03-5933-0108 ikesan.office@gmail.com

リサイクルセンター

 この定例会に、豊玉リサイクルセンターに「指定管理」制度を導入する議案が出されています。関と春日町のリサイクルセンターは、すでに5年前から指定管理に移されていますが、昨年度オープンした豊玉はこれまで基本的に直営でした。それを、「委託化・民営化」の方針に沿って指定管理に移そうというものです。
 ところが、ひょんな方向に話が転び転んで、すべてのリサイクルセンター(これからできる予定の大泉を合わせれば4か所)を「一括」して特定の事業者に委ねようという方針を、区が公にしたのです。昨日の一般質問で、こんな答弁がありました。

 これまでリサイクルセンターは地域に根差したリサイクルの普及啓発の拠点として不用になった家具等の再利用事業やリサイクル講座など様々な取り組みを行ってまいりました。しかし、区民生活に必要とされる環境情報は日常的なりリサイクル活動にととどまらず地球温暖化への対応や太陽光発電に代表される自然エネルギーの利用促進など多岐に及んでおり、これに伴い区民が求める環境に関する事業内容も幅広くなってきております。現在、このような新しい区民ニーズに対応するため全区的統一的な情報発信機能やお勤め帰りの方など新しい利用者に対する夜間サービスの提供、集団回収登録などの諸手続きができる窓口の設置などの機能拡充を検討しております。また、粗大ごみの収集などの機能を担い本年11月に開設する仮称・練馬区資源循環推進センターと各リサイクルセンターとの連携を図り粗大ごみの再利用事業の全区的展開も計画しております。今後、リサイクルセンターの在り方につきましては、大泉地区に計画している4館目のリサイクルセンターを含め事業連携の強化と機能拡充を図り、新たな資源循環施策の展開や将来の環境行政の方向を見据えた管理運営が必要と考えております。従いまして、今後のリサイクルセンターの指定管理については、ひとつの指定管理者が4つのリサイクルセンターを一体的に管理運営しセンター相互のネットワークを構築することが区民サービス向上の観点からも適切であると考えております。

 リサイクルセンターがどういうところか、イメージのない方にはわかりにくい話です。いや、イメージがあっても、なんだか理屈にならない理屈を並べていると思えてしまう答弁です。しかし、肝心なことは「ひとつの指定管理者が4つのリサイクルセンターを一体的に管理運営」するようにしていくという結論です。
 地域性の高いリサイクルの拠点となるセンターにとって、「一括管理」にどれほどのメリットがあるのかということも、大切な論点です。しかし、それだけではありません。実は、リサイクルセンターについては、区民による管理運営団体を育成しながら指定管理に移るという独特な考え方で、区はここまで来ました。区の強い意向に支えられて、様々な課題を抱えながらも関と春日町は、区民で作る団体(機構)がそれぞれ管理してきました。もしこれが「一括管理」ということになれば、「機構」は指定管理を担うことは現実的に不可能です。そして、外部から事業者が入ってくれば、施設の管理はおろか、事業そのものに主体的に関わっていくこともできなくなるかもしれません。
 これまでの方針の大きな、全面的な転換です。なぜ転換するのか。“事業者本位”“企業本位”がやたらと目立つ最近の練馬区政。リサイクルセンターも、その波の中にあるのでしょうか…これまで現場を引き受けてきた機構やそのメンバーは、いったいどうなるのか。「区民との協働」を盛んにうたう区が、リサイクルセンターにおける協働のパートナーを、いとも簡単に切り捨てるようなことがあってもよいのか? よくよく質していかなければなりません。

コメント